主契約と特約の組み合わせにするか?特約は必要か無駄か?

主契約と特約の組み合わせにするか?特約は必要か無駄か?

特約は必要か無駄か?サイドメニューはよく考えて

 もしも、みなさんがムダな生命保険に加入してしまったな、と思ったら、それは保険料という名前のお金を捨ててしまっていることになります。
それはとても勿体ないことです。どんなところにムダが生じやすいかといいますと、真っ先に目に付くところが、「特約」部分です。

 

 一般的に、保険商品は「主契約」と「特約」から成り立っています。このうち、主契約とは保障のベースとなるものです。
正式には、「普通保険約款に記載されているもの」をいいます。

 

 一方、特約とは、「特別約款」のことをいいます。特約とは、ベースとなる主契約の上に乗っかっているオプションと考えればいいでしょう。
 特約の数は多く、種類もさまざまです。そして、どのような特約を付けるかによって、主契約の性格さえも変わってしまいます。
そして、注意していただきたいのは、この特約部分は、主契約に付いているオマケのように思っている方がいらっしゃいますが、それは大きな誤りです。

 

 マクドナルドのセットメニューと同じです。
 メインはハンバーガーとドリンクで、それにポテトやナゲットが付いてきます。お客様が支払うのは、もちろんハンバーガーとドリンクの代金だけでなく、ポテトやナゲットなども含まれたセット料金を支払います。
 ポテトのMサイズは大きいから、結局、食べ残すことになってしまっても、セットメニューを注文したわけだから、お客様はちゃんとポテトの分もお金を支払います。

 

 生命保険の特約部分とは、マクドナルドのセットメニューでいう、ポテトやナゲットみたいなものです。決して、オマケで付いているわけではありませんし、タダでもありません。
 特約を付けるということは、その分のお金(保険料)をしっかりと支払うことになります。それがもし、いらないポテトであったとしても!です。
ですので、特約が必要かどうかは、慎重によく考える必要があります。このことは、賢く生命保険を使いこなすための大事なポイントとなります。

 

遺族に残すお金の額に差を付ける必要はあるのか?

【サンプル保険の商品構成】

項目

保障額

疾病入院特約 5,000円/日
災害入院特約 5,000円/日
傷害特約 500万円
災害割増特約 500万円
収入保障特約 200万円/年
定期保険特約 3,000万円
特定疾病定期特約 300万円
終身保険(主契約 100万円

 

上記の図のような生命保険に加入していたと仮定します。
 主契約は100万円の終身保険です。これに、3,000万円の「定期保険特約」や年間200万円の「収入保障特約」など、さまざまな特約が付けられています。
 残念ながら上記の保険商品の構成は、セールスレディが持ってきた「おすすめプラン」の代表例の一つです。
>> ※ダメ※な生命保険商品

 

月々の保険料の金額を見て、「これなら払っていけそう」と思って加入するパターンです。

 

 この特約の中に「災害割増特約」というものがあります。似たものに「傷害特約」というものがありますが、これは不慮の事故が原因で死亡したときに、主契約の死亡保険に割増して保険金が支払われます、という特約です。
 たいていのおすすめプランにセットされていますので、保険証券をご確認ください。

 

 少し考えてみたいのですが、自分が病気で死んだ場合と、不慮の事故で死んだ場合と、遺族に残すべきお金の額に差を付ける必要があるのか?ということです。
 病気で死んだら5,000万円、自動車事故のケガがもとで死んだらさらに500万円が上乗せされる、、など意味があるのかどうか?よく考える必要があると思います。

 

 特約の保険料としてはわずかなものですが、長年にわたって払い続ければバカにできない金額となります。
特約を付ける意味と必要性をしっかり考えておかないと、不要なポテトとナゲット代金を何年も支払い続けることになります。

 

主契約+特約か、個別に主契約か?どちらが有利か

 上記の図の保険商品の中で、必要な特約は何かといえば、「災害入院特約(ケガ)」や「疾病入院特約(病気)」のようなものは、できれば付けておきたいものです。ケガや病気による入院時の保障は、死亡時の保障ではカバーできないからです。
 このように、リスクの性格の性格・種類が異なるものには、個別に保険をかけておく必要があります。
 ただし、上記の図だと、入院に関する保障を特約の形で主契約の死亡保険に上乗せしていますが、そうではなくて入院の保障を単独で、つまり主契約で結ぶこともできるわけです。
 つまり、、、

  • @死亡保障と入院保障を、それぞれ主契約にして別々の保険に加入する
  • A一方を主契約、他方を特約にして一つの保険に加入する

という2つの契約パターンが考えられるわけです。そして、後者の場合は、たいていは死亡保障の終身保険を主契約として、入院保障はその特約として付けることが多いです。

 

 では、この2つの契約パターンは、何が違って、どちらを選んだ方が有利なのでしょうか?

 

《保険料》
 まず、保険料が違ってきます。
別々の主契約にすれば、「保険証券」は2枚になりますが、主契約+特約であれば1枚で済みます。保険会社のコストが減るため、一般的には主契約+特約のほうが保険料は若干安くなります。
 しかし、最近では、@のように、死亡保障と入院保障を分けたほうが保険料が安くなるケースが増えています。
まず、入院保険について保険会社が競い合って頻繁に商品改定を繰り広げているためです。また、特約とは異なり、主契約では1回の入院限度日数などを、必要に応じてさまざまなバリエーションで選択できるようになっているため、求める保障内容によっては保険料が安くなるケースが出てきています。

 

《契約期間の縛り》
 次に契約期間のしばりが出ることを考えなくてはなりません。
特約とはあくまでも主契約に付けるものなので、保険料を払い込む期間や保障の期間が、主契約と連動することになります。
たとえば、主契約が払込期間65歳までの終身保険であれば、特約の入院保険も65歳まで払い続けなくてはなりません。特約だけ60歳でやめたり、60歳からスタートすることはできないのです。
 その点、別々の主契約であれば、契約期間の設定は自由にできます。死亡保障は65歳まで、入院保障は一生涯などと、好きなように設定することができます。

 

《保障の限度額》
 さらに、保障の限度額も考慮すべき点の一つです。
たとえば、500万円の終身保険が主契約で、それに入院保険を特約で付けるような場合、保険会社によって入院保障の日額は死亡保障額の1,000分の1.5倍までしか付けることができない、というような制限があります。
 この場合、入院時に出る保険金は1日あたり7,500円が限度となります。1万円欲しい!という人は、終身保険の額をアップしなければなりません。

 

 このように、それぞれの契約パターンには、一長一短ありますので、それらを総合的に考えたうえで、どれが自分の希望条件を満たすものなのかを考えて選択するようにしましょう。

 

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