必要保障額を下げるためには
生命保険の必要保障額を下げるには?
死亡後の収入を算出
生活費・教育費・住宅費の「支出分」をそれぞれ割り出したら、次は予想される「収入」がどれだけあるのかを考える必要があります。
生活費・教育費・住宅費といった支出項目を考えて計算した必要保障額からマイナスできるのは、この「収入分」になります。
そして、最終的にその収入分を差し引いた金額が、死亡保障を使って準備しなくてはならない必要保障額となります。
ご主人が亡くなった後、予定される収入は次のとおりです。
遺族年金については、ご主人が加入しているのが厚生年金か国民年金によって支給額に違いがありますので、事前に確認しておきましょう。
サラリーマンは、厚生年金で、自営業の方は国民年金となります。
[@遺族基礎年金]
一番年下の子供が18歳になる年度の3月末日(高校卒業)まで支給されます。
例:妻と子供が残された場合の年額
(基本額:年間約77万円)+(一人目の子供:年間約22万円)+(二人目の子供:年間約22万円)+(三人目の子供以降:年間約7万円)
[A遺族厚生年金]
報酬比例部分(平均報酬月額等をもとに算出)の75%相当額が一生涯にわたり遺族に支払われます。公務員の方は、遺族共済年金が支払われます。
[B中高齢寡婦加算]
遺族厚生(共済)年金に加算される給付です。
- 夫の死亡時に40歳以上65歳未満で18歳未満の子供がいない妻、または
- 40歳から65歳のあいだに一番下の子供が18歳に達しており遺族基礎年金が支払われなくなった妻
に対して40歳から65歳の間に年間約57万円が支払われます。
原則として65歳から満額で年間約77万円が支払われます。
就業中の会社の規定によります。
就業中の会社の規定によります。
ご主人がサラリーマンで会社勤めであれば、死亡退職金や弔慰金なども予想される収入として必要保障額から差し引くことができます。
一生涯にわたり予定される収入(パート収入も含む)です。
必要保障額を算出するのに、忘れがちなのが奥様の仕事の収入です。ご主人様が生前のときほどの稼ぎはないかもしれませんが、短時間のパート仕事であれば奥さんにも可能です。たとえ5万円でも家計にとっては大きなものです。
生命保険に加入または見直しをされる際には、必要保障額を一度計算して、書き出してみてるといいかもしれません。
死亡保険はどのくらい必要か?
死亡保障は本当に必要なお金をカバーするためのもの
死亡保障はどのくらいが適正か常にメンテナンス
必要保障額は、甘く見て多めに用意しようと思えば、いくらでも多く見積もることができてしまいます。
例えば、住まいは絶対都心で間取りも広く取りたい!とか子供の学校は私立の高校・大学に行かせたい!とかいい出したらキリがないです。
こういう個人的なニーズや欲求を生命保険で満たそうとすることは、間違ってはいませんが、生命保険加入の本来の目的からはズレています。
日頃、私たちが望んでいることは、お父さんが亡くなっても楽な生活ができる生命保険の保障ではないです。
一番の望みは、家族全員がいつまでも元気で、幸せに末永く暮らすことのはずです。それがご家族みんなの願いです。
お父さんにもお母さんにもいつまで元気でいてほしいと願っているわけです。
死亡保険へ加入するのは、あくまでも万が一の場合に対する備えでしかないのです。
決してお父さんが死んで多額の死亡保険金を手にすることではないはずです。ですので、必要以上に保障額を高く設定することは望ましくありませんし、日頃の家計を圧迫するような高額の保険料を払い続けることがないように、本当に用意しておくべき保障額を厳密に計算して割り出す作業が必要となります。
「都心でなくても生活できます!」とか「ご主人がお亡くなりになられたら、奥様もパートなどして少しでも家計のプラスになるよう努力したほうがいい」などと生命保険の代理店や営業マンや生保レディは、絶対に言わないはずです。
生命保険の契約の妨げとなるようなことは絶対に、、、、。
支払う保険料を安くすればいいといっているわけではなく、本当に必要な額以上の保障を得ようとして今の生活を切り詰めてしまうことは、生命保険が持つ本来の役割からみておかしいということです。
生命保険金に頼らなくても済む方法は色々とあるはずです。
住宅費がかさむのであれば、間取りはガマンしようとか、賃料の安いところへ引越しをしようなどです。
教育費がかさむのであれば、私立はガマンして公立を選択しようなどです。奨学金を得ても構いません。
時間と健康に無理のない程度に、奥さんがパート仕事をして生活費の一部を稼いでもいいです。
そして、いろいろと対策を講じた後、それでも不足するであろう本当に必要なお金をカバーするためにあるのが生命保険です。
あくまでも生命保険とは家族の誰もが望んでいない万一の場合に対する備えであることを忘れてはいけません。
確かな保障を得ながら、今の生活への経済的な負担をできるだけ最小限にとどめられるように、必要保障額は常に見直しを繰り返す必要があるのです。
残された家族の一生分を保険でカバーする必要性
保険金と保険料とのバランスを考えて
収入の多い少ないに関係なく、一家の大黒柱に万が一のことがあったら大変です。
具体的にどのくらいの保障を考えておけばいいのでしょうか?もちろんたくさん保険金が出るほうが安心です。しかし、その分、保険料の負担も重くなってしまうのが悩ましいところです。
保険金額も大切ですが、月々どのくらいの保険料を支払うことができるのかも考えなければいけません。
自分に万が一のことがあった場合、残された家族に生活の心配をかけたくはありません。かといって、「一生分の生活費」を保険金だけで用意するとなるととんでもない金額になってしまいます。
子供のいる人は教育費も念頭に!
死亡保険金の目安は?
死亡保険金の目安は、一般的に年収の3年分といわれています。
例えば、大黒柱の主人が亡くなった時点で専業主婦だった妻も3年という月日があれば、生活を立て直すには十分な時間と考えられるからです。
親元の実家に帰る、仕事に就いて収入を得られるようになる、新しい生活環境で落ち着きを取り戻せるでしょう。
死亡保険金は、それまでのつなぎ資金という位置づけです。
子供がいる場合には、その子供が大学に入学するまでの教育費もキープしておきたいところです。その分を上乗せした金額が最低限用意しておきたい死亡保障となります。
もちろん、これはあくまでも目安の話です。もっと死亡保障を厚くしないと気掛かりで心配だ、という方もいらっしゃるでしょう。家計に負担にならない範囲内で考えてみましょう。
年収 × 3年(残された家族が生活を立て直すまでの期間) + 教育費(子供一人あたり1000万円) = 保険金額の目安
- 残された家族の一生分を保険でカバーする必要はない
- 年収の3年分プラス教育費が一つの目安
- 死亡保険金は、家族が立ち直れるまでのつなぎ資金
生命保険の保障が必要なのは時期
生命保険の保障が必要なのはいつまで?
生命保険の保障が必要なのは子供が独立するまで
@生活費、A教育費、B住宅費の3つの「将来の支出」を考える際には、それらが「いつまで」かかるのか、期間の設定をすることが必要です。
これは基本的に、「子供が独立するまでのあいだ」と考えれば良いでしょう。
教育費はもちろんですが、生活費、住居費についても、子供が家を出るまでにかかる費用と、奥さん一人だけになったときにかかる費用とでは大きく違うからです。
もちろん、奥さんの生涯にわたる生活の保障は考えなければなりませんが、基本的に老後の生活費は貯蓄と年金でまかなうことも不可能ではありませんし、独立した子供が支えてくれることも十分考えられます。
出費が多くなるのは、親の手が子供にかかっているあいだです。子供が40歳、50歳になるまでの保障が必要なわけではないのです。
生命保険の保障が最低限必要になるのは子供が独立するまでです。最低でも子供が学校を卒業するまでの保障が準備しておきたいですね。