死亡保険金と同時に入院給付金を受け取った場合は相続税
死亡保険金と同時に入院給付金を受け取った場合
死亡保険金と同時に入院給付金を受け取った場合は相続税がかかりますか?
死亡保険金とともに病気入院中の入院にかかる入院給付金の支払いを受けた場合の課税関係はどうなりますか?
相続税がかかりますか?
死亡保険金と同時に入院給付金を受け取った場合
死亡保険金と同時に入院給付金を受け取った場合は相続税
本来の相続財産として相続税の課税対象となります(相続税法基本通達3-7)。
被相続人の死亡によって生命保険金等を受け取った場合には、「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります。
所得税法においては、生命保険契約に基づく給付金で身体の傷害に基因して支払いを受けるもの、ならびに心身に加えられた損害につき支払いを受ける慰謝料その他の損害賠償金は非課税とされています。
したがって、被保険者が入院給付金を受け取れば、その金額の大きさにかかわらず非課税所得として取り扱われます。
また、被保検者と給付金受取人が異なる場合であっても受取人が身体に傷害を受けた人の配偶者・直系血族または生計を一にするその他の親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)の場合には、非課税規定が適用されることになります(所得税基本通達9-20)。
設問のケースのように生命保険金と同時に支払われる被相続人の生前の入院にかかる入院給付金については、本来であればその被相続人に支払われることになっていたものですが、たまたまその受け取るべき人が受け取る前に死亡したことにより、その相続人が「被相続人の遺産の一部」として死亡後に受け取ることとなったものです。
そのため、この入院給付金は受取人固有の財産となり、「みなし相続財産」とされる生命保険金ではなく、「本来の相続財産」として扱うこととなります。
なお、相続税の申告においては、この入院給付金「未収金」等として財産の明細書に記載し、課税財産の価額に算入します。
死亡保険金と同時に支払われた前納保険料の取扱はみなし相続財産
死亡保険金と同時に支払われた前納保険料の取扱は
死亡保険金と同時に支払われた前納保険料の取扱は?
夫が死亡し、妻である私が死亡保険金を受け取りました。
生前、夫は保険料を前納していたとのことで、その前納部分も保険金と同時に支払いを受けました。この前納保険料はどのような取扱になるのでしょうか?
相続税はかかりますか?
死亡保険金と同時に支払われた前納保険料の取扱は
死亡保険金と同時に支払われた前納保険料の取扱はみなし相続財産
この場合の、前納保険料は、受け取った死亡保険金とともに、みなし相続財産として取り扱うことになります(相続税法基本通達3-8)。
この設問のように、被相続人の死亡により相続人その他の者が保険金を受け取る場合において、死亡保険金と同時に剰余金やその保険契約にかかる保険料の前払い分(前納保険料)が保険会社から支払われることがあります。
これらの剰余金や前納保険料は約款規定等により支払われるものであり、その保険契約にかかる保険金受取人固有の権利・財産として受け取る保険金と何ら性格的に異なるものではないとされています。
しかしながら、保険事故が発生していなければ、剰余金は当然に保険契約者に支払われるものであり、また、前納保険料すなわち保険料の未経過分は、保険期間が経過するまでは保険会社への預け金的な性格を有するものです。
そのような理由で、これらが保険契約者の財産で預貯金等と同様の財産ではないか、との疑問が生じがちです。そのために、この通達が設けられていると考えられます。
なお、これらの金額についても、相続人が取得したものについては、死亡保険金の非課税枠の適用を受けることができます。
個人年金保険の死亡給付金を受け取った場合(年金受取開始前の死亡)
個人年金保険の死亡給付金を受け取った場合
個人年金保険の死亡給付金を受け取った場合の税金関係は?
個人年金保険について、被保険者が年金受取開始前に死亡した場合に支払われる死亡給付金の課税関係はどうなるのでしょうか?
個人年金保険の死亡給付金を受け取った場合
個人年金保険の死亡給付金を受け取った場合(年金受取開始前の死亡)
受取人に支払われる死亡給付金は、保険料負担者が誰であるかにより課税関係が変わります。
被保険者が年金受取開始前に死亡すると、死亡給付金がその受取人に支払われます。
この場合、その契約にかかる保険料負担者が誰であるかにより、その受取人に次のような課税関係が生じることになります。
(注)通常「死亡給付金」とは、個人年金保険において年金受取開始日前に被保険者が死亡したときに支払われる一時金をいい、その個人年金保険に定期保険特約等が付加されているような場合に支払われる特約に基づく死亡一時金とは区別しています。
保険料を負担していた被保険者が死亡した場合には、受取人に支払われる死亡給付金は通常の死亡保険金と同様に相続または遺贈により取得したとみなされます。
相続税の課税対象となります。
なお、この場合に死亡給付金の受取人が相続人である場合には、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠の適用を受けることができます。
死亡給付金の受取人が保険料を負担していた場合には、その受取人の一時所得となり所得税の課税対象となります。
受取人はその契約にかかる保険料負担者から死亡給付金の贈与を受けたものとみなされて、贈与税の課税対象となります。
リビング・ニーズ特約に基づく生前給付金の取扱い
生前給付金と相続税
リビング・ニーズ特約に基づく生前給付金の取扱い
被保険者の余命が6ヶ月以内と診断された場合に、主契約の死亡保険金の一部または全部(上限3,000万円)を生前給付金として支払うリビング・ニーズ特約による生前給付金は、死亡保険金の前払い的な性格を有していますが、被保険者の余命が6ヶ月以内と判断されたことを支払事由としており、死亡を支払い事由とするものではないことからすれば、重度の疾病に基因して支払われる保険金に該当するものと認められます。
疾病により重度障害の状態になったことなどに基因して支払われる保険金は、所得税法に掲げる「身体の傷害に基因して支払われる」保険金に該当するものと取り扱っており、その保険金は非課税所得となります。
なお、生前給付金の支払いを受けた後にその受取人である被保険者が死亡した場合には、消費していない生存給付金は本来の相続財産として相続税の課税対象となります。
この場合、消費していない給付金は既に生命保険金でないことから、相続税の非課税財産の規定の適用を受けることはできません。