個人型の確定拠出年金制度とは?
確定拠出年金って何?
確定拠出年金って、名前は聞いたことあるけど、何?って思われる方が多いと思います。
確定拠出年金のメリットやデメリット、気になりますよね。
確定拠出年金には、掛金を企業が拠出する企業型年金と加入者自身が拠出する個人型年金があります。
確定拠出年金は、拠出された掛金が個人ごとに明確に区分され、掛金とその運用収益との合計額をもとに年金給付額が決定される年金制度です。
もう少し噛み砕いていうと、確定拠出年金は、自分で積み立てる年金制度です。
2017年1月から制度が改正されて、基本的に現役世代のほとんどの方(原則として60歳未満の公的年金加入者が対象)が利用できるようになります。
そして、掛金が全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となります。
日本版401kともいわれる確定拠出年金制度が日本に誕生したのが、2001年でした。
2001年10月にスタートしたとき、「自己責任型の制度が日本で普及するだろうか?」と疑う声もあったのですが、2012年10月には440万人が利用する制度に成長しました。
440万人というのは会社員のおよそ8人に1人が加入している計算です。また、確定拠出年金は、大企業でも中小企業でも利用が進んでおり、会社の規模を問わず利用している会社が増えています。
会社では、老後に備えて何らかの支給を行う制度を用意することが多く、その代表的な制度は退職金(退職一時金)制度です。
会社がより制度を充実させるとき、年金で受け取ることも認める制度を採用します。これは「企業年金」と呼ばれています。
企業年金制度は、確定給付型の企業年金制度と確定拠出年金(企業型)に区分されますが、いずれも老後に備える目的のための制度です。
確定拠出年金はどうして必要なの?
厚生年金基金や確定給付企業年金等の企業年金制度等は、給付額が約束されるという特徴があります。
しかしながら、以下のような問題点が指摘されていたことから、平成13年10月に公的年金に上乗せされる部分における新たな選択肢として確定拠出年金が導入されました。
問題点1.現行の企業年金制度は中小零細企業や自営業者に十分普及していない。
問題点2.離転職時の年金資産の持ち運びが十分確保されておらず、労働移動への対応が困難。
国が行う老後の保障は「公的年金」ですが、給付を引き下げる方向にありますから、こうした流れを受け、老後の支えを充実させる企業年金に期待が高まっています。
ところが、会社に老後の資産の運用・管理をすべて任せることも、景気が厳しく経営が困難となった昨今において難しくなっており、自己責任で運用を行う確定拠出年金に特に注目が集まっているわけなんですね。
世界的にも、確定拠出型の企業年金制度が主流になりつつあり、日本でも、今以上の普及が進むものと考えられています。
確定拠出年金の特徴
確定拠出の特徴です!確定拠出年金制度とは、じぶんで備える年金制度のことです。
- 自分で掛金を設定
- 資産運用
- 税制メリット
確定拠出年金制度は、退職金制度や確定給付型の企業年金制度とは大きく異なる特徴があります。
それは「自分の老後資産は自分で管理する」という点です。
退職金制度や確定給付型の企業年金制度は会社がお金の準備をする制度です。
会社は社員と約束したお金について、退職時にしっかり支払えるよう準備する責任があります。もし運用等が滞って不足している場合は会社がその不足を穴埋めして用意しなければなりません。
私たちは現役時代には退職金や企業年金のことを考えなくてもよく、ただ定年退職時に受取額を示され、一時金ないし年金の形式で受け取ればよかったのです。
しかし、会社にとってもこの準備責任が大きな負担となっており、業績に影響を与えるまでになっています。
これに対し、確定拠出年金では、「自分で運用」することが大きな原則となります。
またその運用結果はそれぞれが受け入れる「自己責任」型の制度になります。
確定拠出年金では、ひとりひとりの専用口座が設けられ、会社が負担したお金はそこに積み立てられます。自分の口座の運用をどのようにするかはひとりひとりが決めていくわけですね。
会社を辞めるときに、どこまで資産が増えているかは自分自身の運用の選択次第です。人よりも多く退職金を伸ばせる人もいれば、元本に低い利息だけを得て定年退職を迎える人もいます。
自分の運用の決断が、自分の老後の財産形成を決定づけることになるのが、確定拠出年金の大きな特徴といえます。
確定拠出年金に加入できる対象者が増えました
これまで対象外だった公務員や主婦も加入できるようになりました!
2017年の1月から個人型確定拠出年金(個人型DC)が拡充されることが決まってから話題を呼んでいます。
従来の制度では、勤務先に企業年金がない人や自営業者しか個人型を利用できなかったのが、2017年からは新たに公務員と専業主婦も対象となりました。
企業年金の加入者も上乗せで掛金を拠出できるようになりました。
従来までは自営業者(第1号被保険者)や企業年金の無い企業に勤めているサラリーマンしか加入できませんでしたが、2017年1月からは基本的にすべての人が401Kに加入できるということになりました。
これによって企業年金や企業型確定拠出年金に加入しているサラリーマンの方や公務員の方も個人型確定拠出年金に資金を拠出することができるようになりました。
これまでの個人型確定拠出年金制度では、「自営業者、企業年金に加入していない会社員」だけが加入対象となっていました。
2017年1月からは全ての方が確定拠出年金に加入することができるようになりました。
第1号被保険者(自営業者) | 国民年金基金や個人型確定拠出年金、付加年金に任意で加入することができます。 |
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第2号被保険者 |
まず共通で厚生年金へ強制加入となります。
また、個人の任意で個人型確定拠出年金に加入することができます。
従来、企業年金がある方や公務員の方は個人型確定拠出年金へ加入することができませんでしたが、2017年より加入が認められるようになりました。 |
第3号被保険者(専業主婦) |
国民年金保険料は第2号被保険者(配偶者)が払っていることになっているので、事実上の年金負担はありません。
2017年度から扶養になっていても、個人型401K(個人型の確定拠出年金)に加入できるようになりました。 |
専業主婦でも国民年金にプラスしての年金が受給できるようになる!
従来、専業主婦(第3号被保険者)は「国民年金のみ」に加入している状態となっていました。
ただ、この状態だと将来受け取れる年金はそこまで大きくありません。
2017年1月以降で個人型確定拠出年金に主婦も加入できるようになったことで、将来受け取れる年金を運用して増やすことが可能です。
確定拠出年金に加入するに際しての注意点
個人型の確定拠出年金に加入するときの注意点は?
税金が安くなる!!これは、うれしいお知らせですが、注意点もあります。
- 運用商品の中には元本割れリスクのあるものもある
- 60歳未満での受給は基本的にできない
- 加入時・運用期間中は手数料がかかる
個人型確定拠出年金はどこで管理するかが重要!
個人型401K、確定拠出年金については、どこで管理するかが重要です。
選ぶポイントは「運営管理手数料」と「取扱商品の充実度」にあります。
運用先を自己責任で選択するだけの知識が必要!
確定給付年金は会社が運用の責任を負い、会社が運用してくれます。
自分の支払った掛け金がどのように運用されているか知らなくても、退職後には約束された金額の年金を受け取ることができます。
一方、確定拠出年金では、自分が運用の責任を負い、自分で運用先を決めなければなりませんから、運用次第で将来の受け取り金額が増えることも減ることもあるので、どのように運用するか重要になります。
運用先を選択出来るからこその分かり易さもあるのですが、投資経験の無い人にとってはハードルが高くなる可能性もあります。
特別法人税がいつ凍結解除されるか分からない!
現在は凍結されていますが、確定拠出年金には「特別法人税」という税制度があります。これは意外と知られていないデメリットです。「特別法人税」は2001年の確定拠出年金導入時からずっと凍結されていますが、適用されると資産時価に対して年間1.173%が課税される事になります。
「特別法人税」は資産税であり、利益に課税される譲渡税とは異なります。儲かっても損しても、いつでも時価に対して課税される税制です。
金融業界からの反対が強い事を踏まえると早急な解凍はなさそうですが、「特別法人税」は無視できません。
個人型の確定拠出年金については、銀行や証券会社、生命保険会社がさまざまな商品を販売しております。
是非、FP専門のプロに相談してみてくださいね。しっかりとシュミレーションしてから加入を検討するようにしましょう!!
iDeCo(イデコ)で老後の自分年金
一定の所得を得ている人にとって、年末年始は、「年末調整」や「確定申告」で税額控除に関心が寄せられる時期です。
扶養控除や生命保険料控除が所得税の控除項目として代表的ですが、いま脚光を浴びているのがiDeCo(イデコ)と呼ばれる個人型の確定拠出年金です。
掛金を全額控除できるとして加入者が急増しています。資産形成が有利に運べる制度としても注目されています。
60歳以降の生活資金に
所得がある人ならiDeCo(イデコ)を利用しないのは損です!iDeCoとは、2001年に始まった私的年金制度の一つです。2017年から公務員や専業主婦などにも対象を広げて、60歳未満の成人であれば原則、誰でも利用できるようになりました。
掛金が小規模企業共済等掛金控除として全額所得控除されるため、支払う税金を少なくできるといったメリットがあります。
実際、どの程度の節税効果があるのでしょうか?例えば、年収400万円の30歳会社員が、60歳まで毎月2万円の掛金を拠出した場合では、累計で140万円ほど税負担が軽減される計算になります。
手厚い所得控除は、60歳以降の生活資金を目的とした年金制度ならではのiDeCo(イデコ)の利点といえます。
反面、iDeCo(イデコ)は掛金を60歳まで引き出すことができません。これをデメリットと捉える人が多いですが、メリットと捉えることもできます。行動経済学に基づくと、人間は将来の楽しみよりも今の楽しみを優先してしまう傾向があります。
ですから、途中で取り崩すことができないからこそ、60歳以降の目的資金を作ることができるのではないでしょうか。
手数料が割安な商品
iDeCo(イデコ)の掛金は、加入者が自ら選んだ商品で運用する点も特徴です。その選択肢は大きく二つ、元本確保型の商品と価格変動商品があります。
定期預金や保険商品に代表される前者は、元本こそ割れませんが、超低金利の状況では資産を増やす効果はほぼありません。加えてiDeCo(イデコ)は、口座管理手数料が毎月かかるため実額ではマイナスになります。預金への拠出は、所得控除によるメリットを意識した利用といえます。
後者は投資信託を指しますが、株や債券といった投資対象の価格変動があるため、短期的に値下がりすることもあります。ただ、数十年といった運用期間があれば、投資対象を幅広く分散させることで、プラスの運用成果が期待できます。
通常なら課税される運用益が非課税になる点もiDeCo(イデコ)のメリットです。選択できる投資信託も、一般に売られている同種の商品と比べて運用手数料が安いものがほとんどです。
異なるサービスと手数料
iDeCo(イデコ)に加入するには、証券会社や銀行、保険会社などの運営管理機関を選び、申し込みの手続きから始めます。注意すべきことは、運営管理機関によって取り扱う商品の種類や数、口座管理手数料が異なる点です。
品揃えに注目し、運営管理機関を見極めることが大切です。投資信託のラインアップが多いほど良いわけではありませんが、適切な分散投資を図るうえでは、10〜20程度が好ましいと考えられます。
あわせて個々の投資信託の運用コストが低水準であることも重要です。年間でわずかな手数料の差も、長期運用になると同様の商品性なのに数万円も収益に開きが生じるからです。
長期にわたるiDeCo(イデコ)では、サービス内容を含めた利用のしやすさも運営管理機関選びのポイントになります。加入者向けのウェブページの使い勝手やコールセンターの対応などを見極めてiDeCo(イデコ)をフル活用しながら資産形成を進めたいものです。