法人が満期保険金を受け取った場合の経理処理|福利厚生プラン
法人が満期保険金を受け取った場合の経理処理
法人が満期保険金を受け取った場合の経理処理は?
会社は、役員、従業員の全員を被保険者として、満期保険金受取人を会社、死亡保険金受取人を役員・従業員の遺族とする養老保険に法人契約で加入していました。
今年度は3人を被保険者とする契約が満期となりました。会社は満期保険金3000万円を受け取りました。
会社の経理処理はどうなりますか?なお、それらの契約に対する保険料積立金は1500万円、配当積立金は50万円です。
契約者 | 会社 |
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被保険者 | 役員・従業員 |
満期保険金受取人 | 会社 |
死亡保険金受取人 | 被保険者の遺族 |
保険の種類 | 養老保険(福利厚生プラン) |
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法人が満期保険金を受け取った場合の経理処理
法人が満期保険金を受け取った場合の経理処理
養老保険が満期を迎えたときには、保険料積立金および配当金積立金を取り崩し、受け取った満期保険金との差額を雑損失または雑収入として処理します。
【借 方】 |
【貸 方】 |
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現預金 3,000万円 |
配当金積立金 50万円 保険料積立金1,500万円 雑収入 1,450万円 |
このケースは、養老保険の法人契約においてよく見られる契約形態です。
満期保険金と死亡保険金の受取人が異なり、その保険料の2分の1を資産計上し、残りの2分の1を役員・従業員への福利厚生として処理するため、2分の1養老保険あるいは福利厚生プランと呼ばれています。
実務のポイント・・・保険期間が短期の場合
福利厚生プランは、最近では節税目的の契約を排除するため、保険期間が短期の場合、否認されるケースもあります。
まだ満期を迎えていない契約については、退職金規程とともに保険期間等の見直しを行う必要があります。
法人契約保険で被保険者が満期保険金を受け取った場合の経理処理
法人契約保険で被保険者が満期保険金を受け取った場合の経理処理
法人契約保険で被保険者が満期保険金を受け取った場合の経理処理は?
会社が、当社社長Aを被保険者および満期保険金受取人とする養老保険に法人契約で加入しています。
この保険が満期を迎えました。
社長が満期保険金を受け取ったとき、会社はどのように経理処理をすればよいでしょうか?
契約者 | 会社 |
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被保険者 | 役員・従業員 |
満期保険金受取人 | 役員・従業員 |
死亡保険金受取人 | 役員・従業員の遺族 |
保険の種類 | 養老保険 |
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法人契約保険で被保険者が満期保険金を受け取った場合の経理処理
法人契約保険で被保険者が満期保険金を受け取った場合の経理処理
法人契約で満期保険金受取人が被保険者、死亡保険金受取人がその遺族の場合、保険料は給与として処理されるため、法人の経理処理はありません。
【借 方】 |
【貸 方】 |
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雑損失 ××× |
配当金積立金 ××× |
一方、被保険者(役員・従業員)が受け取った満期保険金は一時所得となります。
この場合、これまで給与として課税されてきた支払保険料を、収入を得るために支出した金額として控除することができます。
法人が満期保険金を年金払いで受け取った場合の経理処理
法人が満期保険金を年金払いで受け取った場合の経理処理
法人が満期保険金を年金払いで受け取った場合の経理処理は?
当社は、契約者を会社、被保険者を役員・従業員、保険金受取人を会社とする養老保険に加入しています。
このたび数件の契約が満期になります。保険金を年金払いで受け取る特約が付されています。この場合の経理処理はどうなりますか?
満期保険金1,000万円と積立配当金100万円を原資として支払われる年金は、年額120万円の10年確定年金、年金受取見込み総額は1,200万円です。
また、現在の資産計上額は、保険料積立金600万円、配当積立金100万円です。
契約者 | 会社 |
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被保険者 | 役員・従業員 |
保険金受取人 | 満期保険金=会社 死亡保険金=会社 |
保険の種類 | 養老保険 |
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法人が満期保険金を年金払いで受け取った場合の経理処理
法人が満期保険金を年金払いで受け取った場合の経理処理
年金払い特約が付加された時期により経理処理の方法が異なります。
1.契約時あるいは満期になる前に年金払い特約が付加されている場合
資産に計上されている保険料積立金と配当積立金を、年金原資として年金積立保険料に振替処理をします。
【借 方】 |
【貸 方】 |
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年金積立保険料 700万円 |
保険料積立金 600万円 配当金積立金 100万円 |
満期日に資産計上した年金積立保険料700万円から、次の式で按分計算した額を取り崩します。
取り崩し額 = 年金積立保険料 × 受取年金額/年金受取見込み総額。
このケースでは、700万円×120万円÷1,200万円 = 70万円となります。
受け取った年金との差額は雑収入として処理します。
【借 方】 |
【貸 方】 |
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現金・預金 120万円 |
年金積立保険料 70万円 雑収入 50万円 |
2.満期保険金の受取時に年金払い特約を付加した場合
現在の保険料積立金・配当積立金を取り崩し、年金原資となる満期保険金と積立配当金を年金積立保険料に計上する洗い替え処理をします。
差額は雑収入となります。
【借 方】 |
【貸 方】 |
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年金積立保険料 1,100万円 |
保険料積立金 600万円 配当積立金 100万円 雑収入 400万円 |
満期日に資産計上した年金積立保険料1,100万円から、按分計算して取り崩します。
このケースでは、1,100万円×120万円÷1,200万円 = 110万円となります。
受け取った年金との差額10万円は雑収入とします。
【借 方】 |
【貸 方】 |
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現金・預金 120万円 |
年金積立保険料 110万円 雑収入 10万円 |