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ソルベンシーマージン比率の格付は保険商品選びの基準にならない

生命保険会社がイメージできる画像

 

ソルベンシーマージン比率

 

ソルベンシーマージン比率の格付って意味ある?

「ソルベンシー・マージン比率」と聞くと難しい指標のように感じますが、簡単にいうと、『生命保険会社の支払能力』という意味です。

 

例えば、一般のわたしたちの家庭でいえば、一ヶ月の生活費が仮に50万円だとします。

 

生活費50万円の支出に対して、収入が50万円だとします。そうすると、支出に対して100%の収入がある、ということになります。
これが、もし仮に、50万円の支出に対して収入が100万円あれば、、、ソルベンシーマージン比率は200%となります。

 

  • 予測を超えるリスクに対する、保険金の支払余力を計る指標
  • 200%を下回ると、早期是正措置が発令される

 

ソルベンシー・マージン比率は、保険会社の経営の健全性を測る指標の1つで、保険金の支払余力を意味しています。

 

支払余力とは、大災害や景気低迷などの通常の予測を超える事態が起こった場合の、保険金の支払能力のことです。

 

保険会社では、契約者に保険金などを支払うために、通常の予測に基づき、責任準備金として保険料や運用収益などを積み立てて対応しています。

 

ソルベンシーマージン総額とリスクの合計額と健全性の基準
ソルベンシー・マージン総額

ソルベンシー・マージン総額は、資本の部合計、価格変動準備金、危険準備金、一般貸倒引当金、その他有価証券の評価差額(含み益の場合は、×90%)、土地の含み損益(含み益の場合は、×85%)、負債性資本調達手段、控除項目、その他を合計して算出します。

 

リスクの合計額

リスク相当額は、通常の予測を超える危険(保険リスク、予定利率リスク、資産運用リスク、経営管理リスク、巨大災害リスク)を合計して算出されます。

 

健全性の基準

ソルベンシー・マージン比率は、200%を健全性の基準としています。200%を超えて数値が高いほど、支払余力があるとみなされます。逆に、200%を下回ると、金融庁から早期是正措置の対象とみなされます。

 

保険会社や金融庁は、この「ソルベンシー・マージン比率」が200%ある保険会社の経営は安全で、その会社はつぶれません!」と説明してきました。

 

では、このソルベンシー・マージン比率という数字は、保険会社や金融庁がいうように、本当に信じられるのでしょうか?ソルベンシー・マージン比率が200%以上あった漢字系の生命保険会社が、たくさん破綻しているという事実があります。

 

各生命保険会社が発表するソルベンシー・マージン比率は、約半分またはそれ以下であると思っておいたほうがいいです。


ソルベンシー・マージン比率のカラクリ

 

生命保険会社のソルベンシー・マージン比率

 

生命保険会社の本当のソルベンシーマージン比率は?

 

ソルベンシーマージン比率の計算方法

「ソルベンシー・マージン比率」の数字を算出する計算式は、分母に「リスクの合計額の半分」、分子に「ソルベンシー・マージンの総額」で計算します。

 

計算式

「 ソルベンシー・マージン比率= 支払余力(マージン)/(1/2) × 通常の予測を超える危険(リスク)に対応する額 」

 

この計算式の問題は、分子の中に簡単にいえば「借金」も計算に入れてしまうことです。

 

金融庁は、平成22年(2010年)4月9日に「ソルベンシーマージン比率」の算出方法を見直しして、平成24年(2012年)3月期から厳格化すると発表しました。

 

今まで、甘い基準での算出を許してきた金融庁も問題でしたが、やっと改善されることになりました。

 

新基準で計算すると、大手生保でソルベンシーマージン比率の数字は約3割〜4割ほど減少します。今まで発表されてきた数字は大幅に修正されることになります。

 

漢字系生保会社で最後に(平成22年10月)破綻した大和生命の同年3月期に発表されていたソルベンシーマージン比率の数字は、555%でした。

 

新基準で算出すると発表されていた数字とは大きく異なり、120%でした。実際の数字は、発表されていた数字の3割にも満たない数字だったことになります。

 

平成24年以降の新しい基準において、大きな「逆ザヤ」契約をたくさん抱えている大手生保のソルベンシー・マージン比率は、現在の数字からどれくらい小さい数字に修正されるのでしょうか?

 

生命保険会社の規模と信頼度と保険商品

生命保険の選び方と保険会社の格付けがイメージできる画像

 

生命保険会社の規模や信頼度で保険は変わる?

 

生命保険会社の規模や信頼度と生命保険の関係

 

生命保険という事業を一人や二人の小規模で始められる事業かというと、答えはNOです。保険金の支払いをするのにも、相当の資金が必要になってきます。

 

日本には、40〜50の生命保険会社が存在します。そして、一般の消費者は頭の中で生命保険会社を次のように仕分けします。

 

  • 大きい会社
  • 有名な会社
  • CMをたくさんしていて知名度のある会社
  • 有名人がCMやイメージキャラクターになっている会社

などを基準として、生命保険会社を選んでしまっています。

 

つまり、保険料の額や保険金額、解約返戻金の額など、生命保険は数字でできています。それなのに、数値で比較せずに感覚イメージや好みで選んでしまっているケースが多いということです。

 

みなさんは、大丈夫ですか?生命保険を構成しているのは、初めから終わりまで、つまり、契約から保障まで数字で成り立っているのです。
本来、生命保険商品を選ぶのに、「勘定」は大切ですし、必要ですが、「感情」は不要なのです。

 

大きい生命保険会社だから大丈夫?

大きな生命保険会社、有名な生命保険会社であるのに、「ダメな保険」を売っている会社もあります。なぜでしょうか?

 

会社が大きいからとか、有名だからとか関係ありません。むしろ、大きい会社で有名だからこそ、バブル時代に大量に販売した「予定利率の生命保険」をたくさん抱えていて、金利が稼げない今は、その契約のために「逆ザヤ」に苦しんでいるのです。

 

「逆ザヤ」を解消するためには、契約者に約束した金利を稼げばいいのですが、経済不況のために、保険加入者の不利などは全く眼中になく、「転換」に走っているのが現状といえるでしょう。

 

本当に生命保険加入者に目を向けた経営を行い、生命保険加入者本位の生命保険商品を販売している会社は、数える程でしょう。

 

ほとんどの生命保険会社は、「利益が上がるのであれば、どんな生命保険商品でも販売するんだ!」という状況といえます。会社の規模や知名度は一切関係ないといえます。

 


生命保険のオススメがイメージできる画像