終身保険を教育資金の準備に使う人が増えている
終身保険を教育資金の準備に
貯蓄性のある終身タイプがオススメ
受験シーズンになれば、「将来のわが子の学費が心配」という子育て世代も多いでしょう。
教育資金の備えとして思い浮かぶのが学資保険ですが、貯蓄性のある終身タイプの生命保険の活用も選択肢です。
家庭のニーズに合わせて選ぶようにしましょう。
学資保険の代わりと死亡保障が付いている
学資保険の代わりに死亡保障がある
終身タイプは死亡保障が付いている
「産まれたばかりの次男に学資保険を掛けようかどうか迷っています」と、会社員の女性(38歳)からのご相談。
6年前に長男が誕生した際は、外資系生保の学資保険に加入しました。
子供が10歳になるまで年24万9,000円、合計249万円の保険料を払込むと、高校、大学進学時に5回に分けて、計300万円が受け取れる商品です。120%を超える高い解約返戻率に魅力を感じて、加入を決めたそうです。
しかし、最近の商品は市場金利の低下に伴い返戻率も低下傾向にあります。条件にもよりますが、各社の商品は110%前後が主流で、それを割り込むものもあります。
こうした中、保険ショップの保険見直し本舗の担当者は、「親が終身タイプの生命保険に加入し、払い込み満了後に解約して学費に備えるのも選択肢の一つですよ」とアドバイスされています。
子供の誕生を機に親が加入し、18歳時点などで払い込んだ保険料以上の額が受け取れる学資保険は、教育資金準備の手立てとして広く定着しています。保険料払込の途中で万が一、契約者(親)が死亡した場合は、以後の保険料が免除されるのも利点です。
一方、終身タイプの生命保険は、加入している間は死亡保障が続きながら、保険を解約すれば、保障がなくなる代わりに一定の解約返戻金を受け取れるものです。
例えば、子供の大学進学を見据え18年で保険料払込が満了するように加入し、満了後に保険を解約して返戻金を受け取れば学費に充てることができます。
AIG富士生命の場合、30歳男性で死亡保障300万円、払込期間18年のケースで、月払い保険料は9,426円、払込総額は約204万円です。
払込を終えた48歳時点で保険を解約すると、返戻金は約222万円で返戻率は約109%です。
アメリカンファミリー生命保険の商品も、30歳男性、死亡保障500万円で15年払いだと48歳時点の返戻率は約109%です。
保険見直し本舗の担当者は、「学資保険とそれほど返戻率に差がないのであれば、死亡保障が付く終身保険を選ぶ、という人が増えています」とアドバイスをくれます。魅力的な商品ということができます。
このように、終身保険の解約返戻金を教育資金の準備のために備える方法もありますので、是非とも検討してみて下さい。
学資保険と終身保険の違いと注意点
学資保険と終身保険の注意点!
学資保険や終身保険の返戻金はあくまで満期や払込期間満了まで加入し続けることが前提です。
いつもで自由に引き出せることができる預貯金と違い、お金に縛りをかけることになります。
また、保険料の払込満了前に中途解約をすると多くの場合、元本割れとなるリスクもあります。こうした点も念頭に置いて検討するようにして下さい。
学資保険と終身タイプの生命保険の違い
学資保険 |
終身保険 |
|
---|---|---|
被保険者 | 子供 |
親 |
加入時期 | 子供が産まれたとき、小さい子供がいるとき |
いつでも(子供が産まれる前でも可) |
戻るお金の種類 | 進学祝い金や満期保険金 |
解約返戻金 |
支払い時期 | 子供が18歳になったとき、高校・大学進学時などが決まった時期 |
解約返戻金は子供の進学時や老後など、自由に決めることができる |
親の死亡時 | 以後の保険料払込を免除 |
加入している間は死亡保険金が出る |
注意点 | 払込期間が終わる前に解約すると、多くの場合「元本割れ」リスクがある |
同左 |
(読売新聞H28.2.6より抜粋)