月額15万円を目安に
ただでさえ、長引く療養生活で心細くなっているわけですから、生活費等の経済面でも頭を悩ませたくはありません。
就業不能給付金は多くもらえるのに越したことはありませんが、他の生命保険と同様に、保障額を厚くすれば保険料もアップします。
自分の所得水準と毎月支払える保険料に応じて、妥当な保障額を導き出していく必要があります。
就業不能保険(働く人への保険)に加入している人は、おおよそ40%で、月額15万円が平均です。そして9割弱の人が、10万円〜20万円を選択しています。一家の大黒柱が長期間働けなくなったら、家族による介護や治療費などの出費は多くなります。
それらを賄いつつ、家族が生活していけるだけの保障を確保することを考えると、自分の収入とのバランスにもよりますが、月額15万円程は確保するほうがいいでしょう。
単身世帯であっても働いているなら要検討
就業不能保険の保障額のポイントですが、それは、就業不能給付金の月額に上限が定められていることです。
条件は会社や生命保険商品によって異なりますが、大概、元気に働いていた頃の実質的な収入を上回る給付金を得ることはできません。
では、この就業不能保険はどのような人が加入しておくべきなのでしょうか?
まずは、扶養家族を抱える世帯主です。また、子供のいない夫婦や独身の人も、自分が働いて得たお金で生活している以上、検討しておいたほうがいいです。長時間働けなくなれば、間違いなく収入はダウンします。
働いて得た収入で生活をしている人は、是非とも検討して下さい。
- 所得と保険料に応じて妥当な保障額を計算する
- 就業不能保険の保障は月額15万円以上が目安
- 子供のいない夫婦や独身者も要検討
就業不能状態と高度障害状態の違いは?キーワードは「永久」
【就業不能状態】
就業不能の場合は、「少なくとも6ヶ月以上、いかなる職業にも就けない」などと医学的見地から判断されるものの、いずれは復帰できる可能性も残されています。
【高度障害状態】
これに対して、高度障害状態とはリカバリーの見込みがない、具体的には、両眼の視力を永久に失ったり、言語またはそしゃくの機能を永久に失ったり、身体の一部を永久に失ったり、終身介護を要する状態に陥ったりするケースをいいます。
※そしゃく=咀嚼(そしゃく)とは、摂取した食物を歯で咬み、粉砕すること。これにより消化を助け、栄養をとることができる。噛むなどとも表現される。
高度障害状態になって回復の見込みがない場合は、生命保険から死亡保険金と同額の高度障害保険金が支払われ、以降の保険料払込が免除されます。
ただし、これを受け取ると保険契約は消滅し、その後に死亡しても死亡保険金は支払われません。
キーワードは、「永久に」か否か
例 |
高度障害状態 |
就業不能状態 |
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肺結核の治療で半年以上入院し、
スノーボードで骨折し腰髄を損傷した。両足が不完全マヒの状態で1年間就業不能状態が継続した。
若年性アルツハイマー病。
両眼の視力を全く永久に失った。
両耳の聴力を全く永久に失った。 |
×
×
×
○
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○
○
○
△※
△※ |
△※職業訓練などを経て就業している場合には該当しません。
働けなくなったらどうしますか?−死亡保障と医療保障だけではカバーできません
【死亡保障と医療保障だけではカバーできません】
適切な死亡保障と医療保険を掛けておけば、本当に万全でしょうか?病気やケガで長期療養を強いられた場合、医療保障を備えておけば、入院や手術にかかるお金については、保険がサポートしてくれます。
その一方で、「生活費」はどうでしょうか?
もし仮に、全く働けない(就業不能)状態が続いてしまうと、当たり前ですがその期間の収入は減ってしまいます。療養が長期化すればするほど、日々の出費がかさむことになります。
《サラリーマンには、「傷病手当金」制度がある》
ケガや病気で就業不能となり、その療養のために3日以上連続して欠勤し、4日目以降の給料を受けていない場合には、通常、この制度から1日あたり標準報酬日額の3分の2の給付金が出ます。
(つまり、最初の3日間は支給対象にはなりません。また、その3日分を有給休暇にしてもかまいません)
サラリーマンや公務員であれば健康保険や共済組合から傷病手当金が支給されますが、最長で1年と6ヶ月です。受給開始から1年半で終了です。
65歳からであれば、公的年金を受給できますが、その間の生活費までを傷病手当だけでカバーすることは難しいです。
そこでこのような「就業不能状態」になってしまった場合に、毎月、生活費の代わりに保険金(就業不能給付金)を受け取れるように設計されたのが、「就業不能保険」です。
両者と似たもので、「収入保障保険」がありますが、これは、万が一のときに遺族に支払われるものです。亡くなった後に保険金が毎月お給料のように支払われるものです。
条件は、「いかなる職業においても就業ができない」場合
【条件は、「いかなる職業においても就業ができない」】
医療保険が入院を前提としているのに対して、就業不能保険は、在宅療養もカバーされるので心強い保険といえます。具体的にはどのような場合が該当するのでしょうか?
就業不能・・・とは、たとえば、「いかなる職業においてもまったく就業ができない状態」などを指します。この場合は深刻な病気やケガが給付対象となります。
たとえば、急性心筋梗塞を発症して、手術によって一命は取りとめました。しかし、リハビリのために3ヶ月間の入院が必要でした。そして、その後も9ヶ月間に渡って在宅療養が必要であると告げられました。
あるいは、脳梗塞で救急搬送されて、約1年間入院しました。退院後も意識障害やマヒ、呼吸障害などの後遺症が残ってしまいました。その結果、長期在宅療養が必要となりました。
このような個人の力ではどうすることもできないリスクに対応できるのが保険です。
働き盛りの年齢や一家の大黒柱であれば、就業不能保険も検討する価値はあると思います。
- 医療保険と死亡保険で生活費をカバーできない
- 長期療養の保障として就業不能保険を検討
- 深刻な事態、最悪の事態を想定して保険を選択
長く働けないことが給付の前提条件
就業不能保険は、長期にわたって働けなくなった人をサポートする保険です。
まず、
- 治療を目的とした入院
もしくは
- 日本の医師資格を持つ人の指示に基づいて在宅療養を行っていること
が大前提です。
そのうえで、少なくとも6ヶ月以上、いかなる職業にも就業が不可能 と医学的見地から判断されて、そういった状態が180日を超えた場合が給付金の支払条件となります。
たとえば、脳梗塞で倒れて退院後も1年近くにわたって医師の診断により自宅療養を余儀なくされた場合は支払対象となりますが、180日以内に職場復帰を果たすと支払対象とはなりません。
条件を満たしていれば、給付金は毎月支払われます。傷病手当金(医療保険)を受給していたとしても、就業不能状態に該当していれば給付金をもらえます。
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