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民間の保険と公的な保険の相違点
保険には、民間の保険と公的な保険があります。
それぞれの内容を理解して、保障の重複や漏れのないようにしましょう。
また、公的な保険は、強制力がある点で税金とあまり変わりませんので、税金と同じように関心を持つ必要があります。
項目 |
民間の保険 |
公的な保険 |
---|---|---|
目的 |
国民生活の安定 |
国は、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上および増進に努めなければならない。 |
性格 |
任意 |
強制 |
種類 |
生命保険 |
健康保険 |
保険金の額 |
契約により異なる。 |
法律により一定額。 |
保険金の支払保障 |
金融庁が保険会社を監督する。 | 国の事業 |
解約 |
自由 |
できない。 |
保険料の決め方 |
自由(上限あり) |
所得に応じて決定。 |
税金 |
支払時:生命保険料の控除など若干の配慮がある。
受取時:若干の配慮がある。 |
支払時:全額所得控除など。
受取時:非課税または優遇税制 |
厚生年金や国民年金は、自分が在職中に納めた金額を将来利息をつけて自分がもらうのではなく、今、自分が納めている保険料は今どこかの誰かが受取り、将来自分が受け取る年金額は、その受け取る時期に納めている人の保険料によります。
現在の日本では、今後ますます平均寿命が延びて、年金をもらう人の数が増えます。その一方で、逆に子供の数が減って将来、保険を納める人の数が少なくなります。
したがって、将来的には、支給開始年齢の引き上げ、支給金額の減少、所得制限や資産制限、納付金額の増加、増税などが行われることが充分予想されます。将来の生活を考えるときには、このことを念頭におく必要があります。
公的年金のみでは、絶対に不十分ですから、民間の保険を早い段階で検討して下さい。
預金と生命保険の違い
金銭面からみると、将来のリスクに備える手段として、「預金」と「保険」があります。
預金と保険はどう違うのでしょうか。預金と保険の性格の違いを理解して、合理的な将来設計を立てましょう。
【預金と生命保険の特徴】
生命保険は契約のその日から、死亡などの場合に、保険金の全額が支払われますが、預金の場合は必要額に達するまでに時間がかかります。
- いつ起こるかわからないリスクに備えるためには、生命保険
- 期日のわかるリスクに備えるためには、預金
と、区別することができます。
【長期と短期】
預金の期間は、満期の定めがなく、いつもでおろすことができる普通預金や貯蓄預金、1ヶ月や1年満期の定期預金など、比較的短期のものが多く、これに対して生命保険は、10年満期や終身(死ぬまで)など長期のものが多いといえます。
将来の予測は、予測する期間が長ければ長いほど難しいといえます。また、誤った決断をすると、誤った状況が長期にわたって継続することになりますから、慎重な判断が必要となります。
【解約の損得】
預金を解約した場合には、元本+預金の利息が戻ります。生命保険の場合には、全く戻ってこない場合(掛け捨て)や、一部しか戻ってこない場合(契約してから日が浅い場合など)があります。
これは、生命保険では契約から解約までの間、もし死亡した場合に保険金を受け取ることができるというサービスを受けていたわけで、このサービスに対する対価の分が戻ってこないといえます。
解約を考えた場合、生命保険に加入するときは預金をする以上に慎重になる必要があります。
【目的以外に備えられるか?】
預金は満期になれば元本と利息の合計額が自由に使えます。途中で解約したとしても元本+預金の利息を自由に使うことができます。
これに対して、生命保険の場合には、保険金がおりるのは契約で定めた場合だけなので、当初の目的以外には使いづらいといえます。
たとえば、預金なら住宅取得にも老後の生活費にも使えます。しかし、死亡に備える生命保険を途中で住宅取得のために使うということは難しいといえます。
生命保険に加入する場合には、目的をはっきりさせることが重要です。
【利息と保険金】
預金者には必ず全員に利息が付きますが、保険金は全員が受け取れるわけではありません。
その分、万が一の場合の一人あたりの保険金受取額は多いです。
【税金】
預金は原則として利息の20.315%が税金となります。
生命保険にかかる税金については、下記ページを参照して下さい。
> 生命保険と税
【一時的な資金の借入】
預金は総合口座、生命保険は契約者貸付金により、一時的な資金の借入をすることができます。
ただし、預金の総合口座のほうが利率は低く、また銀行の店舗が多いことから借りやすいということがいえます。
《預金と生命保険のバランス》
預金がよいか、生命保険がよいかではなく、両者のバランスが重要です。
また、人それぞれがおかれている状況によってもかなり違います。リスク分析表を作成しながら、将来を予想して、自分に適した預金と保険を考える必要があります。
リスク分析表を作成する際には、自分だけでなく家族全体を考慮することも大切です。